「母親が本を一冊誕生日か何かで買ってくれたんです。後で聞いたら新聞だったかで薦められていたかららしいんですが、佐藤さとるさんの『だれも知らない小さな国』でした。これが面白くて。『だれも知らない小さな国』は何回も読みました。あの作品に惹かれた理由はいくつもあるけれど、いちばんは自分だけの小山を持つ、ということですよね。男の子が誰も知らない自分だけのユートピアを発見する、この面白さです。ああ、僕もこんな秘密の山がほしいなと思っていました。その秘密の場所に一人、小さな女の子が現れて、靴を川に流したというので追いかけた時に、靴の中に小さな人を見つけるんですよね。10数年後に再会するというのも、小学生ながらすごくロマンチックなものを感じました。」