スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋冬編

スティーヴン・キング(山田順子 訳)
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岡田 斗司夫

「ロブ・ライナー監督の青春映画の傑作。1959年(ロブ・ライナーが12歳だった年)、少年4人が見知らぬ少年の死体を探しに冒険する話。冒頭で監督ロブ・ライナーは原作者キングに『主人公ゴーディはどれだけ本当の話をしてるんですか?』と質問、キングは『俺自身も自分の経験と人に話す時に面白く盛っちゃうことの境がわからなくなる、作家っていうのは生まれつきの嘘つきで自分の言った嘘を信じ込むし、嘘の中に本当を混ぜるから余計わかんなくなる』と答えた。 映画では『叙述トリック』が使われる——途中から美化された嘘が混ざる。ヒントは(1) ラストで友達クリスが消えていくシーンで、不思議に半透明になって完全に消えてしまう、(2) ボブ・コミアという作中の人気者の名前が、映画冒頭の解像シーンの自動車のラジオから聞こえる、これをゴーディが咄嗟に話に取り込んでリアリティを上げる、つまり彼は『嘘の話の中に本当のことを混ぜる』天才。 本当のモンスターとは何か——吸血鬼でも殺人鬼でもない、それは『時間』だとキングは語っている。仲の良かった4人の友達は怪物に絆を引き裂かれたんじゃない、時間が彼らを引き裂いた。中学校に行ってから学部が違うと自然に離れていった。 人間は過去を思い出す時に美化したり悪い方向に改造する、それは今を生きるために必要だから——これが『記憶』という機能の本質。映画も小説も全てフィクションが美しいのは、作者が持っている純粋性が失われる瞬間を作品にすることで、僕ら読者の中にもう1度純粋性が戻ってくるから。」

– 出典: YouTube『岡田斗司夫ゼミ』スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋 解説(48:00〜)