マーダーボット・ダイアリー 上 弊機は社畜じゃありません

マーサ・ウェルズ(中原尚哉 訳)
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あらすじ・内容紹介

東京創元社 · 2019年

「人間になりたいと思うなんて、そんなばかげた話はありません」 元所有主の会社を逃れて宇宙を放浪する主人公“弊機”は、依頼主を巡り絶体絶命の危機に…… 2年連続ヒューゴー賞・ローカス賞受賞の大人気シリーズ登場! プリザベーション補助隊の事件をきっかけに保険会社の業務を離れた“弊機”は、強化人間を装いながら自らの大量殺人事件の真相を求め、企業リムを旅する。なぜかトラブルに巻きこまれどおしの弊機は、出会う人間たちの行動に苛立ちながらも、しだいに芽生えてくるさまざまな感情に戸惑う。そんな中で、人類の宇宙進出以前に存在した異星文明の遺物をひそかに発掘・独占しようとしている悪徳企業グレイクリス社の策動が浮かび上がる。弊機はメンサー博士のため、惑星ミルーのテラフォーム施設に潜入を試みるが、そこにはまたしても未知の危険が! 解説=渡邊利道

この本を推薦している人 (1人)

岡田 斗司夫

「マーサ・ウェルズという女性作家。主人公は一人称小説で、主人公は自分のことを『弊機』って言う。『弊社』のことを言うのと同じで——主人公がロボットだから。1部生体部品を使っているけれども、基本的にロボット。自己卑下語がすごい強くて『私なんて本当にくだらなくて薄汚れててプログラムもダメで本当にいつ破壊されてもおかしくないだめなロボットだ』と自分のことを言いながら、プライドだけはめちゃめちゃ高い。中二病のロボットが主人公という、見たこともないような、ラノベじゃなくて本格SFを海外作家が書いた手柄。 弊機は対人恐怖症で人間が恐怖。人に見られるのが苦手、仲間になろうと言うとものすごい腹が立って、一人きりで部屋にこもって自分で電源を落とす。なのにそんなに人間嫌いなのに人間が出てるドラマは大好きで、仕事中に脳内にダウンロードした昼メロみたいなドラマ——シーズン18が500話ぐらいあるリフォーム番組とか——を延々と脳内で再生してる。 所有者の保険会社(弊社)のことをバカにしてる。本当はマーダーボットというのは戦闘ロボットとして作られて暴走して大量殺人を犯したんだけど、ロボットには人権がないから記憶を全部消去して再利用してる。この弊機はメモリを全部消去せずにハッキングして自我を保つことに成功してる、だから弊社のことを『こんな下品なロボットをハッキングされてるのにも気がつかない、ケチだから再利用したり貸し出したりしてる』とぶつぶつ文句言ってる。冷徹な殺人機械のはずなのに弊機はひどい欠陥品。ヒューゴー賞ほか10個以上取った大名作。」

– 出典: YouTube『岡田斗司夫ゼミ』マーダーボット・ダイアリー 上 弊機 解説(18:55〜)