1979年岩手県花巻市生まれ。2008年第10回コバルト・ロマン大賞を受賞してデビュー。2015年集英社オレンジ文庫創刊メンバーとして『鎌倉香房メモリーズ』シリーズを開始。代表作に『パラ・スター』『金環日蝕』『どこよりも遠い場所にいる君へ』『また君と出会う未来のために』『室町繚乱』など。2022年『金環日蝕』で本格ミステリーに挑戦。
山本鈴美香による1973年連載開始のテニス少女漫画の金字塔。
「生まれてはじめて読んだ漫画は姉が持っていた『あさりちゃん』だったんですけれど、そこで初めて漫画というものに触れて、画期的だと思ってびっくりしたんです。そこから家にあった姉の漫画を貪るように読んでいたら、それを見た母が秘密の自分の本棚を見せてくれたんですね。そこにずらりと並んだ『エースをねらえ!』全巻(笑)。1巻を読んだとたんに「うおっ」となって一気に全巻読み、私ののめり込み具合を見た母が、小学6年生の時の誕生日プレゼントに『ベルサイユのばら』の文庫版を全巻買ってくれました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)池田理代子による1972年連載開始の少女漫画の金字塔。
「小学6年生の時の誕生日プレゼントに『ベルサイユのばら』の文庫版を全巻買ってくれました。その頃、学校で放課後の運動クラブみたいなものには入っていたんですけれど、「お腹が痛い」と嘘をついて家に帰って読んでいました。渡された時、すごく嬉しかったですね。なんかもう、『源氏物語』を手にした菅原孝標女みたいな感じでした(笑)。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)ヘルマン・ヘッセによる1919年発表の自伝的小説。
「背伸びをしようとして、母の本棚にあったヘッセの『デミアン』なんかをこれ見よがしに教室だけで読んでいたような...。「私、文学少女なのよ」って顔をしたかったんです(笑)。でも、これ見よがしであっても、『デミアン』は面白かったです。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)伊坂幸太郎による2003年発表の長編。第129回直木賞候補作。
「伊坂幸太郎さんにハマりました。書店でたまたま見つけた『重力ピエロ』を読んで、「こんな話読んだことない、すごく面白い」となり、他の作品も読むようになりました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)三浦しをんによる2004年発表の連作短編。一人の男を語る七つの物語。
「三浦さんのチャーミングな部分と、『私が語り始めた彼は』などのしっとりした面との振り幅に弱いのかもしれません。三浦さんのことは好きすぎて、その後もせんだい文学塾にいらっしゃると聞けば仙台まで聴講に行って、遠くからじっと見つめています。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)三浦しをんによる長編小説。
「三浦さんのことは好きすぎて、その後もせんだい文学塾にいらっしゃると聞けば仙台まで聴講に行って、遠くからじっと見つめています。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)三浦綾子による1965年発表の長編小説。朝日新聞懸賞小説受賞作。
「三浦綾子さんの『氷点』『塩狩峠』などを読んで、人間の罪や許しというテーマに触れて衝撃を受けました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)三浦綾子による1968年発表の長編小説。北海道塩狩峠を舞台にした名作。
「三浦綾子さんの『氷点』『塩狩峠』などを読んで、人間の罪や許しというテーマに触れて衝撃を受けました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)遠藤周作による1966年発表の長編小説。第2回谷崎潤一郎賞受賞作。
「それもすごく衝撃を受けました。『沈黙』は、たまたま古本屋で、棚差しじゃなくて面陳で置かれていて、それが運命でした。手に取って裏のあらすじを読んで、「神の沈黙」というテーマに挑んだと書かれてあって。思春期だったので「神様がいるなら、なぜいろいろやってくれないんだろう」と考えたりもしていたので、それで読んだんです。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)荻原規子による1988年発表の和ファンタジー小説。「勾玉三部作」第一作。
「荻原規子さんは大学時代から好きで、ファンタジーが書きたい時に読み返しました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)上橋菜穂子・荻原規子・佐藤多佳子の三人による創作論対談集。
「上橋菜穂子さん、荻原規子さん、佐藤多佳子さんの三人は私の中で「三人寄れば」のお三方として崇めている作家さんたちで、その方たちの創作論として『三人寄れば、物語のことを』を貪るように読みました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)三上延による2011年発表のビブリオミステリーシリーズ第1作。
「編集者に勧められた『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズを読んで「すごく面白い!求められているのはこういうものなんだな」と思いました。それでなんとか書いていたんですけれど、いやなんかもう、圧倒的にミステリーを書くための力がないなというのを痛感していました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)北村薫による1989年発表のデビュー作。「円紫さんと私」シリーズ第一作。
「ミステリーが書けないと悩んでいた頃、さきほども挙げた北村薫さんの円紫さんのシリーズとか、鮎川哲也さんの『五つの時計』とか...。いろいろ一生懸命読んだんですけれど、やはり学ぼうと思って読むと息苦しくなってしまうので、そういう時にダイアナ・ウィン・ジョーンズさんを読んだりして。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)梓崎優による2010年発表のミステリ短篇集。第7回ミステリーズ!新人賞受賞作。
「K島氏が「これまでに僕が担当したのはシザキユウさんとか...」と言うので「梓崎優さんと同姓同名かな」と思ったんですが、「伊坂幸太郎さんとか...」と言うので、「えっ」となって。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)上橋菜穂子による1996年発表のファンタジー小説の金字塔。
「上橋菜穂子さんの『精霊の守り人』を読んだのも鎌倉香房シリーズで四苦八苦している時で、ものすごく感動したんですよね。まったく違う世界の話ではあるんですけれど、そこに生きているのはやっぱり"人"であるし、私達の生活とはまったく違うはずの彼らの生活が、食器の音がするぐらい鮮明に書かれていて。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)森絵都による2003年発表の長編小説。
「森絵都さんは『永遠の出口』とか。『宇宙のみなしご』も好きだし、やっぱり『つきのふね』が大好きで。あと、『風に舞いあがるビニールシート』を読んだ時は、なんかもう、すごいなあ、って...。死ぬまでにこういうのが書きたいと思いました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)森絵都による1994年発表の児童文学。第33回野間児童文芸新人賞・第26回日本児童文学者協会新人賞受賞作。
「『永遠の出口』とか。『宇宙のみなしご』も好きだし、やっぱり『つきのふね』が大好きで。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)森絵都による2006年第135回直木賞受賞の連作短編集。
「『風に舞いあがるビニールシート』を読んだ時は、なんかもう、すごいなあ、って...。死ぬまでにこういうのが書きたいと思いました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)北方謙三による1990年発表の歴史長編。第3回柴田錬三郎賞受賞作。
「北方謙三さんの南北朝シリーズを読み始めたら、もう、これが面白かったんです。たとえば『破軍の星』の主人公は北畠顕家という、お父さんが南朝の傑物の名門の生まれの16歳の公家で、美少年なんです。北方先生が断言してますので間違いなく美少年です。彼は本当に秀才で、キレッキレの切れ者なんです。彼が幼い親王を戴いて奥州にまいるわけですよね。そこで細々と生きている奥州藤原氏の末裔と会うわけですよ。その末裔が、顕家の才覚を見て、心酔していくんです。そうしたすべてに萌えがあります。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)米澤穂信による2004年発表の青春ミステリーの傑作。
「ミステリーとは何なのかを知りたくてさまよっている頃に『さよなら妖精』を読んで、「こんなにも悲しいのに美しいお話があるのか」と思いながら本を閉じたら、再び『さよなら妖精』ってタイトルが目に入って、「あああ!」となりました。こんなタイトルをつけられるなんて、一体心にどんな妖精が住んでいるのかと思いますよね。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)伊坂幸太郎による2003年発表のミステリー。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。
「伊坂幸太郎さんの『アヒルと鴨のコインロッカー』も、K島さんの担当ですよね。今気づいたんですけれど、私の新刊の『金環日蝕』は、あの作品の影響がだいぶ大きいと思うんです。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)眉村卓による1973年発表のジュブナイルSFの古典。
「ある日私の担当さんが、「阿部さん、『ねらわれた学園』みたいなジュブナイルやりませんか」と提案してくれたんです。例によって見切り発車と安請け合いで「やります」と言った後で、眉村卓さんの『ねらわれた学園』を読みました。これもすごく面白かった。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)ラッセル・ブラッドンによるテニス小説。
「意外とテニスものの小説って少ないんだなと、この時に分かりました。当時刊行されていたテニス小説をいろいろ読みました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)天藤真による1978年発表のユーモアミステリー。第32回日本推理作家協会賞受賞作。
「天藤真さんの『大誘拐』はK島さんがツイートされていたので、面白そうだと思って読んだのかもしれません。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)宮部みゆきによる1992年発表のミステリー長編。第6回山本周五郎賞受賞作。
「宮部みゆきさんの『火車』なんかも挙げましたよね。そうした、自分が読んで感銘を受けたものと、自分が求められているものをどう結び付けたらいいのかまったく分からなくて、迷子になっていました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)大沢在昌による1990年発表のハードボイルド小説の代表作。第12回吉川英治文学新人賞・第44回日本推理作家協会賞受賞作。
「大沢在昌さんの『新宿鮫』シリーズ。新装版が書店で平積みされていたんです。手に取って読んで、はあ~なんなのこの面白さ! って。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)太宰治による1947年発表の長編小説。
「当時は正直、「まったく共感できない」みたいに思っちゃった部分があるんです...。でも今読むと、あの人間の駄目さを否定しないところはすごくいいなと思うんです。自分は駄目だと思う経験をしてきた今、太宰を読むと、すごく分かる、と思います。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第248回 阿部暁子インタビュー(2022年12月)