ドミノ
恩田陸の長編小説。真夏の東京駅、27人と1匹の登場人物がそれぞれの思惑で動く群像劇。
「1億円の契約書を待つ締め切り直前のオフィス、下剤を盛られた子役、別れを画策する青年実業家——27人と1匹の登場人物がそれぞれに何かが起きるのを待っていた。恩田先生の作品の中では若干異色というか、コミカルに人の思いを狙えていらっしゃるんですけど、面白すぎて。こんだけ登場人物がいたら「どっかで辻褄を合わせなきゃいけない瞬間」「ここの人のあれ忘れてた」とかが素人考えだと生じると思うんですけど、結構もない、全員の思いがバタバタバタバタって倒れていって最後最高です。子役のマリカちゃんがライバルの玲奈ちゃんのママに水筒に入った下剤入りのジュースを飲まされるんですよ——どうやって取材なさったのか。落ちる方の子役の気持ちを、私が『蜜蜂と遠雷』で主演させていただいた時もコンクールに通って何年も何年もご取材されながら書かれた作品だって伺ったので、おそらくこれも何がしかの子役の人たちに話を聞かれたのではない、聞かれなきゃこんなことにはならない。ヤングな言葉を使うと「分かれ目」が深すぎる、わかりにしかなくて。」
– 出典: 本曜日 #017 東京松岡茉優書店(05:55〜)