ぐりとぐら
中川李枝子による1967年発表のロングセラー絵本。
「幼稚園の頃は、なんていうんだろう、横に細長い絵本が家にいっぱいあって、それが好きだったことを覚えています。覚えているのは『はじめてのおつかい』、『しょうぼうじどうしゃじぷた』、『だるまちゃんとてんぐちゃん』、『たんたのたんけん』、『ぐりとぐら』…。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)1976年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。2006年『鴨川ホルモー』で第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。2007年『鹿男あをによし』が直木賞候補。代表作に『プリンセス・トヨトミ』『偉大なる、しゅららぼん』『悟浄出立』など。京都・奈良・大阪・滋賀など関西を舞台にした奇想天外な青春譚で多くの読者を魅了。
中川李枝子による1967年発表のロングセラー絵本。
「幼稚園の頃は、なんていうんだろう、横に細長い絵本が家にいっぱいあって、それが好きだったことを覚えています。覚えているのは『はじめてのおつかい』、『しょうぼうじどうしゃじぷた』、『だるまちゃんとてんぐちゃん』、『たんたのたんけん』、『ぐりとぐら』…。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)あまんきみこによる1968年発表の児童文学。タクシー運転手の物語。
「『車のいろは空のいろ』というのが好きで。タクシー運転手の話です。そのへんから、好みは今と変わらないです。日常の生活のなかで、ひょんとした拍子にヘンなところに行って、夢かどうか分からないまま、戻ってくる、という話が好きでした。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)E.W.ヒルディックによる児童向けミステリー「マガーク少年探偵団」シリーズ。
「『マガーク探偵団』というシリーズがあって、それも好きでした。僕は自分の本のカバーの見返しを自分で書いているんですが、あれって『マガーク探偵団』の背表紙のマンガからきているんです。「ボンボコ マガーク探偵団♪ ペンぺコ仲良し五人組 ブンチャチャ難問即解決」…。ああいうリズムが楽しいなあって思っていて。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)山岡荘八による1950〜1967年連載の全26巻の歴史小説の金字塔。
「両手首を骨折して、動けなかったので休み時間とか体育の時間に、ずっと教室にいなくちゃいけなくて、それでがっつりしたものを読もうと思ったんです。『徳川家康』は治るまでに読み切りました。そこから歴史小説を一気に読むようになって。山岡さんの書く人物って、お互いはっきりものを言わないんですよね。なんでこの人はあの一言で、ここまで相手の意図を探れるのだろう、同じ人間とは思えないほどめっちゃ頭いいやん!ってびっくりしました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)吉川英治による1939〜1943年連載の三国志小説の決定版。
「中学の時は、吉川英治さんの『三国志』と『宮本武蔵』を読みました。この3つが、僕の中で大きな存在となった歴史もの。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)吉川英治による1935〜1939年連載の長編小説。
「中学の時は、吉川英治さんの『三国志』と『宮本武蔵』を読みました。この3つが、僕の中で大きな存在となった歴史もの。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)荒俣宏による1985〜1987年連載の伝奇SF。
「藤川桂介さんの『宇宙皇子(うつのみこ)』が当時20巻くらいまで出ていて読んだし、『帝都物語』も20巻、面白かったですね。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)北杜夫による1954年発表のデビュー作。
「高2のときの現代文の先生が、「こういう本が面白いよ」と小説を紹介してくれる先生やったんです。そんではじめて純文学といわれるなかにも面白いものがある、と分かって。最初の課題図書が北杜夫の『幽霊』でした。なんかね、はじめてやったんですね。ストーリーで読ませるわけではないやつを1冊読むのは。でも味わいがある。切ないけれど余韻があって、だんだん何なんだこれは、となっていく。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)安部公房による1951年発表の長編小説。第25回芥川賞受賞作。
「その先生から安部公房の『壁』や開高健の『パニック・裸の王様』も教えてもらいました。これらは非常に印象に残っていますね。『壁』なんかは、ちょっとカルチャーショックでした。こんなんがあるんか、という。発想の面白さを知りました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)開高健の短編集。表題作で1957年第38回芥川賞受賞。
「その先生から安部公房の『壁』や開高健の『パニック・裸の王様』も教えてもらいました。これらは非常に印象に残っていますね。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)司馬遼太郎による1969〜1971年連載の歴史長編。明治維新の軍略家・大村益次郎の生涯を描く。
「あとは司馬遼太郎を読みました。『花神』がいちばん好きで、何十ぺんも読みました。司馬さんが書く主人公の中で、この大村益次郎が一番パッとしてなくて。人とのコミュニケーションをうまくとれない人で、村医者の跡継ぎなんですが、身分的には百姓なんです。そんな人が大阪の適塾に留学するや、語学能力が秀れていてどんどん頭角をあらわしていく。本人は最後まで、自分は1個の機械や、みたいに淡々と時代を受け入れて。ええ、これは完全に、『鴨川ホルモー』の凡ちゃんのモデルです。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)司馬遼太郎による1980年発表の歴史長編。秦末の英雄、劉邦と項羽の物語。
「格好悪い主人公が好きになっていますね。『銀河英雄伝説』のヤン・ウェンリーの、ちょっとダメっぽい感じとか。『項羽と劉邦』の劉邦のダメっぷりは特筆に値します。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)田中芳樹による1982年発表のスペースオペラ大河。
「格好悪い主人公が好きになっていますね。『銀河英雄伝説』のヤン・ウェンリーの、ちょっとダメっぽい感じとか。いや、あれはどう考えても格好いいですね。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)井上靖による1989年発表の長編歴史小説。
「あと井上靖の『孔子』も、今で言う「世界一偉大なニート」という感じで好きです。孔子自身は立派なのですが、この場合、結果がとことんダメなんです。かといって、太宰治のダメっぷりには、何も惹かれませんでした。陽気か無神経なダメ男が好きなんですね、きっと。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)中島敦による1942年発表の歴史小説の名作短編集。
「現代文の授業の間は、試験にも出そうな難しめの本を読もうと決めていました。それで「新潮文庫の百冊」から選んでいたんです。そこで中島敦とか菊池寛とかを読んだんです。格式と面白さを、車輪の両輪として持っている小説があるんだって発見しました。小難しい感じなのに、読んでいておもしろい。歴史小説の形を取っているので、その雰囲気も好きでしたね。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)菊池寛による1919年発表の短編小説集。
「現代文の授業の間は、試験にも出そうな難しめの本を読もうと決めていました。それで「新潮文庫の百冊」から選んでいたんです。そこで中島敦とか菊池寛とかを読んだんです。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)夏目漱石による1906年発表の小説。
「『坊っちゃん』を読んだのは大学2年の時です。それまで読んだ漱石作品でいちばん読みやすくて、楽しかった。文章が簡潔でも、奥深いものを表現できるというのも驚きでした。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)車谷長吉による1992年発表のデビュー作。第14回野間文芸新人賞・第13回三島由紀夫賞受賞作。
「車谷長吉さんが大好きになりまして。主人公のダメさ加減に比べたら、自分の悩みなんて何と卑小なものか、とつくづく思い知らせてくれるんですよね。ある意味、僕のなかでヒーローでしたね(笑)。『鹽壺の匙』の紹介文に「生前の遺稿」と書かれてあって、意味がわからず、最初は亡くなった方かと勘違いして読んでいました。大学時代の後半、車谷さんは何度も読み返しました。何というか、文字が目から入り込んで、毒となって血管を回るような感じがするんですよね。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)村上春樹による1987年発表の超ベストセラー長編。
「村上さんの作品は、読むと自分もこういうのが書きたい!って若者に思わせる強烈な魔力がある。こわい本です。哲学の道を歩いて蛍を見てしんみりするシーンを書いたら、作品を読ませた友人が「これ読んだことある」って。「ないよ、オリジナルや!」と言うと「村上春樹ちゃうか」。本棚の『ノルウェイの森』に蛍が出てくる場面がありました(笑)。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)沢木耕太郎による1986年発表の紀行文学の金字塔。
「同じくこわい本で、沢木耕太郎さんの『深夜特急』がありますね。僕も、ものの見事にコロッとやられ、バックパック担いで、ポルトガルのサグレスにサグレス・ビールを飲みに行く羽目になりました。作品の中に、同じシーンがあるんです。別にビール好きでも何でもなかったんですけどね(笑)。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)京極夏彦による1994年発表のデビュー作。京極堂シリーズ第1作。
「京極先生の本を出るたびに楽しみに読んでいました。未だに『姑獲鳥の夏』の冒頭、延々続く脳の話を「これを読んだら、いつか報われるのだろうか?」と疑いながら読んでいた記憶が忘れられません。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)町田康による1996年発表の小説家デビュー作。1997年第14回野間文芸新人賞受賞作。
「その時はじめて町田康さんの『くっすん大黒』を読んだんです。その時はなんかわけがわからんぞ、と思って返却したのですが、半年経ってもあの本が気になるんです。こんなことはじめてだったので、ひょっとして傑作なんかも、と『夫婦茶碗』を読んでみたら、茶碗ウォッシャー最高!町田康すごい!となりました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)町田康による1997年発表の短編集。「夫婦茶碗」表題作。
「ひょっとして傑作なんかも、と『夫婦茶碗』を読んでみたら、茶碗ウォッシャー最高!町田康すごい!となりました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)サイモン・シンによる1997年発表のノンフィクション。フェルマーの最終定理の証明の歴史を追う。
「理系の世界に憧れがあるんです。『ホルモー六景』の凡ちゃんの話を書く時に読みました。『フェルマーの最終定理』は、解決の道のりが面白くて、自分の頭が良くなったように感じられるやさしい本です。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)翻訳家・岸本佐知子による2000年発表の名エッセイ集。
「最近では、いろんな媒体で岸本佐知子さんのエッセイを薦められていますね。『気になる部分』とか『ねにもつタイプ』とか。机の前で、頭一つで勝負している、という感じがたまらないです。買い物に行ったりとか、劇を見に行ったりとか、派手な動きからではなく、平凡な日常の中に面白みを見つけるって、いちばん難しいことだと思うんです。あの姿勢は素晴らしいなあと思います。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第74回 万城目学インタビュー(2007年12月)