硯の中の地球を歩く
成毛 眞が HONZ で執筆した書評対象書。
「端正な本だ。内容に不釣合いなカバーと帯を取りはずすと、表紙には原寸大に近い一面の硯が刷られている。装丁だけでなく、紙質や印刷も素晴らしい。ゆっくりと味わうように読んだ。 著者は書道道具店の四代目。浅草の店では定番の筆や墨なども取り扱っているが、高級な硯は代々の店主がみずから原石を内外で買い付け、手作りで調製したものだ。文化財レベルの硯の修理なども手がけており、世界中のプロから頼りにされているという。 帯には「冒険とうんちくの書」とあるが、これにはいささか違和感を覚える。本書はIT起業家などとは対極の世界観を持つ男の誇りと決意を書いた本だ。 硯の原石は古来より辺境の深山幽谷にあった。著者は日本や中国の山々に分け入り、まさに命がけで原石を探し出す。三代目の両親は山賊に襲われたこともあるという。」
– 出典: HONZ 成毛 眞 客員レビュー