マリー・アントワネット 上
ナチスから亡命した小説家ツヴァイクの傑作伝記。中野京子訳の角川文庫版。
「史実に添いすぎると無味乾燥な学術本。小説に引っ張りすぎては、ただの悲劇のマリーアントワネット、愛の物語になりがち。でも史実に添いながら、このおもしろさとは!」
– 出典: クウネル・サロン「林真理子さん 最新おすすめの3冊」インタビューナチスから亡命した小説家ツヴァイクの傑作伝記。中野京子訳の角川文庫版。
「史実に添いすぎると無味乾燥な学術本。小説に引っ張りすぎては、ただの悲劇のマリーアントワネット、愛の物語になりがち。でも史実に添いながら、このおもしろさとは!」
– 出典: クウネル・サロン「林真理子さん 最新おすすめの3冊」インタビュー17歳の少女たちのほろ苦いロマンスを描いた山田詠美の名短編集。新潮文庫。
「この頃の山田さんの作品は、比喩や言葉の表現が本当に美しい。大人と子供の間にいる女の子たちの、少し大人びた人生観や感性が、ハッとする言葉で描かれています。」
– 出典: クウネル・サロン「林真理子さん 最新おすすめの3冊」インタビューココ・シャネルの生き方と哲学を通して女性の在り方を問う1冊。2009年初版を増補した再生版。
「何年経ってもシャネルはかっこいい。昔はオートクチュールも作りましたし、彼女の本は何冊も読んでいます。」
– 出典: クウネル・サロン「林真理子さん 最新おすすめの3冊」インタビューマリー・ホール・エッツによる絵本の名作。岩波書店刊。
「田舎の小さな本屋ですけれど、売るほど本はあるわけですから、私も子供の頃からむさぼるように読んでいました。『海のおばけオーリー』など、岩波書店の子供向けのものが多かったですね。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)石坂洋次郎による1957年発表の長編小説。
「当時のベストセラーもずいぶん読みましたね。石坂洋次郎さんも『陽のあたる坂道』や『乳母車』など、すごく読んだんですけれど、だんだん同じ文章ばかりで飽きてきてしまって。一人の作家を夢中で追いつつ、追いすぎて途中で嫌になるという。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)L.M.モンゴメリによる1908年発表の児童文学。
「『赤毛のアン』のシリーズは中1くらいで『アンの娘リラ』まで読んだ気がします。あれは第一次世界大戦の影がさしてくるところが面白かったですね。大人になってプリンス・エドワード島にも行ったんですけれど、どこを見ても絵葉書みたいな景色ばかりで、きれいなものって退屈するなって思っちゃった(笑)。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)谷崎潤一郎による1948年完成の長編小説。
「三島由紀夫を読んでいました。あとはやっぱり、谷崎潤一郎の『細雪』はすごく好き。中1くらいで読んだと思います。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)トマス・ハーディによる1891年発表の長編小説。
「中学生でトマス・ハーディの『テス』なんかも読みましたが、何が起こったかわからなくて。昔の本だからぼやかして書いている部分も多いんです。もっと大人になってから、ああそういうことか、と理解しました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)太宰治による1947年発表の長編小説。
「太宰治は、私はあまり惹かれなかったんですけれど、『斜陽』にはうちの母親の物語があるんです。昭和22年、本の仕入れに神田に行って、仕入れたものの中に『斜陽』があって、ホームで読んで泣いたらしい。父が行方不明の頃で、私の兄となる一人目の子供は赤ん坊の時に死んでしまって、一人で生きていかなきゃいけないって覚悟をしていた。その時に『斜陽』を読んで号泣したそうです。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)倉橋由美子による1965年発表の長編小説。
「倉橋由美子さんの『聖少女』とかも好きでしたね。高橋たか子さんも。ああ、女流とは別ですが庄司薫さんも。高校生が普通に本を読んで、純文学系がベストセラーになる、いい時代でした。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)村上龍による1976年第75回芥川賞受賞のデビュー作。
「村上龍さんが『限りなく透明に近いブルー』で芥川賞を受賞してすごく売れていて。池袋の本屋に行ったら品切れで、24番目っていう整理券を渡されて一週間後に来るように言われました。あれは本当に憶えていますね。こういう書き方があるのか、素晴らしいなって思いました。当時大学生で『限りなく透明に近いブルー』を読んでいないなんて恥ずかしいという感じがありました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)村上春樹による1979年第22回群像新人文学賞受賞のデビュー作。
「その頃村上春樹さんも出てきたのかな。『風の歌を聴け』は当時の女子大生はみんな読んだと思う。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)五木寛之による1978年発表の長編小説。
「五木寛之さんが女子大生にものすごい人気でした。格好よかったし。『四季・奈津子』の他には『風に吹かれて』とか、『朱鷺の墓』とか。地方の女の子たちは五木寛之先生の『四季・奈津子』を読んで胸をとどろかせる。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)五木寛之による自選エッセイシリーズの代表作。
「五木寛之さんが女子大生にものすごい人気でした。格好よかったし。『四季・奈津子』の他には『風に吹かれて』とか、『朱鷺の墓』とか。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)井上ひさしによる1981年発表の長編小説。
「あの頃は小説の黄金期ですよね。『オール讀物』や『小説現代』がガンガン売れた。井上ひさしさんの『吉里吉里人』も読みました。10数年前に直木賞の選考委員になった時は、末席に座ってみたら向こう側に井上先生、五木先生、渡辺淳一先生、田辺先生、平岩弓枝先生、黒岩重吾先生が並んでいて。もう声が震えてしまった。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)中沢けいによる1978年第21回群像新人文学賞受賞のデビュー作。
「中沢けいさんが『海を感じる時』でデビューしたんです。美少女作家といわれてすごく注目されていて。ああ、こんな風に人気者になれるんだったら小説を書こうって思いました。それで『群像』を買って応募するぞと思って書いてみたけれど、10枚くらいしか書けなかった。何十枚、何百枚も書かないといけないなんて、小説って普通の根性じゃできないな、怠け者の私には書けないなと思って、挫折しました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)ヴィクトール・E・フランクルによる1946年発表のアウシュビッツ体験記。
「フランクルの『夜と霧』を読んで、ユダヤ問題を調べたくなって。そこからずい分いろいろ読みました。今でもそうなんですが、ひとつのテーマに興味を持つと、ずっとそのことばかり追いかけるんです。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)瀬戸内寂聴による現代語訳の源氏物語。
「『源氏物語』は昔から寂聴先生のものを読んだりしていますが、今ちょうど原文を読んでいるところです。でもこれもお勉強という感じですね。ずっと読んでいると辛くなるので、幸田弘子さんの朗読のCDを聴いたりしています。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)俵万智による1987年発表の現代短歌集。社会現象となった大ベストセラー。
「今でも作家として出てきて1作目が騒がれる人はいるけれど、作家以外では俵万智さんの『サラダ記念日』が最後だっていう説もありますよね。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)有吉佐和子による1972年発表の歴史小説。
「読み返したのは、やっぱり有吉佐和子さん。後に書いた『みんなの秘密』も有吉さんの『青い壷』のオマージュとして書いたものですし。『真砂屋お峰』の書き出しのうまさなんて、プロの作家になってはじめてどんなにすごいものか分かりました。あとはもう1回三島由紀夫を読んでレトリックがすごいなって。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)近藤紘一による1978年発表のノンフィクション。第7回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
「近藤紘一さんの『サイゴンから来た妻と娘』は思い入れの強い本です。直木賞をとった後に、初の長編『戦争特派員(ウォー・コレスポンデント)』を新聞で書いたんです。ベトナムで従軍したジャーナリストと若い女性の恋愛を書いたもの。もともとベトナム関連のこともすごく好きだったんですが、これは近藤紘一さんの本に触発されて書いたといえます。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)五木寛之による2009〜2010年発表の歴史長編。第64回毎日出版文化賞特別賞受賞。
「今でも大阪まで新幹線に行くのに単行本を4冊くらい持っていくんですけれど途中で足りなくなる。だからできるだけ字がぎっしり詰まった、難しい本を持っていくようにしているんです。この間も五木先生の『親鸞』の上巻だけ持っていったらあっという間に読んでしまって「下!下!」ってつぶやいていました(笑)。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)高樹のぶ子による短篇集。表題作で2010年第36回川端康成文学賞受賞。
「私はストーリーなら自信があるけれど、文章の組み立て方や比喩、つまり純文学の人たちの文章の緻密さには欠けていると思うんです。だからそういう人たちに惹かれます。先日高樹のぶ子さんの『トモスイ』を読んで、文章でこれだけ色彩を伝えてくるのはすごいなと思いました。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)絲山秋子による2004年発表の長編小説。
「最近では絲山秋子さん。芥川賞受賞作の『沖で待つ』もよかったけれど、『ばかもの』を読んだ時には、ひえー、うまいなー!って。」
– 出典: WEB本の雑誌「作家の読書道」第112回 林真理子インタビュー(2011年2月)