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中学生・高校生におすすめの本

有名人が実際に10代で読んでいた本54冊を、本人発言の出典リンク付きで収録。又吉直樹『人間失格』、池井戸潤『赤頭巾ちゃん気をつけて』、湊かなえ『セーラー服と機関銃』、万城目学『徳川家康』など、中学生・高校生のうちに出会っておきたい名著の決定版。

54冊収録 ✓ 本人発言の出典リンク付き
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★ 2人が10代で読んだ

赤毛のアン

L.M.モンゴメリ · 新潮社 · 2008

L.M.モンゴメリによる1908年発表の児童文学。

2人推薦 推薦者: 林 真理子 凪良 ゆう

「『赤毛のアン』のシリーズは中1くらいで『アンの娘リラ』まで読んだ気がします。あれは第一次世界大戦の影がさしてくるところが面白かったですね。大人になってプリンス・エドワード島にも行ったんですけれど、どこを見ても絵葉書みたいな景色ばかりで、きれいなものって退屈するなって思っちゃった(笑)。」

「ずっと漫画が好きだったんですけれど、中学に上がると友達から氷室冴子さんを薦められて。それまでも『赤毛のアン』とかは好きだったんですけれど、小説ってこんなに身近で面白いんだと思ったのは、氷室さんが初めてです。」

★ 2人が10代で読んだ

アルキメデスは手を汚さない

小峰 元 · 講談社 · 2006

1973年江戸川乱歩賞受賞作。高校生たちが主人公の青春ミステリーで、ベストセラーとなった。

2人推薦 推薦者: 東野 圭吾 恩田 陸

「小峰元さんの『アルキメデスは手を汚さない』でしょうか。当時の江戸川乱歩賞受賞作品です。自分と同じ高校生が出てくるストーリーで、そのせいもあって最後まで読んだのを覚えています。今で言うと、赤川次郎さんのような感じかな。それが、ちゃんと最後まで読んだ初めての作品です。」

「印象に残っているのは江戸川乱歩賞をとった小峰元さんの『アルキメデスは手を汚さない』。話題になっていたので読んでみたら、学園モノでちょっと"薮の中"っぽいところもあって、すごく面白かったんですよ。江戸川乱歩賞というものがあると認識したのもこの作品でした。」

本人が10代で読んだ

古都

川端 康成 · 新潮社 · 2022

ノーベル文学賞作家・川端康成の代表作。京都を舞台にした双子姉妹の物語。

1人推薦 推薦者: 宇賀 なつみ

「全然毛色が変わりますね。多分中学高校生ぐらいで読んだんですかね。川端康成とかいわゆる文豪と言われる人、教科書にも出てくるような人の作品って難しそうっていうか堅苦しいっていうか、なんか読みたくないなってむしろ思っていたんですけど、これきっかけで本当に食わず嫌いしなくなりました。当時まだ私京都って中学の修学旅行で1回行ったぐらいだと思うんですよ。ほとんど馴染みはなくて、でもやっぱり憧れはあって、これを読むと物理的な場所、距離も超えられるし時代も超えられるんだなっていう、自分が知らない世界に入っていけるんだっていう感覚をすごく覚えた。」

本人が10代で読んだ

動物農園

ジョージ・オーウェル(吉田健一 訳・ヒグチユウコ 装画) · 中央公論新社 · 2022

オーウェルの寓話小説の決定版。吉田健一による定番訳に、ヒグチユウコの装画と挿絵を全編にあしらった単行本。

1人推薦 推薦者: 宇垣 美里

「こんな尖った見た目でしたっけ?やばい本みたいな感じで素敵すぎない?多分中学生か高校生ぐらいの時に読んだけど、これは物として欲しいな。だってすごくないですか、おしゃれすぎません?」

本人が10代で読んだ

寺田克也SKETCH

寺田 克也 · パイインターナショナル · 2021

イラストレーター・寺田克也の画集。

1人推薦 推薦者: 呂布 カルマ

「寺田克也先生のイラストレーター画集。高校生大学生ぐらいの時に好きだった一番好きだったイラストレーター。コミッカーズっていう日本のイラストレーターをいっぱい扱ってる雑誌が当時あって、そこで出会ったのがきっかけ。嫌いなものは多少無理してでも嫌ってるとこあるしね、人生って嫌いなものあった方が面白いんですよ。なんか年取れば逆に何でも許せるし何でも理解できるようになってきて、そこはあえて嫌いは嫌いのまま置いとくほうが面白い。これはどうしても食えないんだよねってものが2、3あった方が面白いじゃないですか、話盛り上がるし。」

本人が10代で読んだ

ひとりずもう

さくら ももこ · 集英社(集英社文庫) · 2019

さくらももこの中学から高校時代までを描いた自伝エッセイ。漫画家・さくらももこ誕生秘話、迷いと挫折を笑いと涙で綴る。

1人推薦 推薦者: 三宅 香帆

「さくらももこさんの『ひとりずもう』っていうエッセイがあって、そのエッセイとかはなんか思春期のことについてさくらももこさん書いてるんですけど、なんかさくらももこさんですらこんなに、あの天才ですら最初こんなになんか紆余曲折やってるんだっていうのが非常になんだろう、印象的だし面白い。『ひとりずもう』をまだ読んでない方絶対読んでほしい。面白いから。」

本人が10代で読んだ

「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本

山下 泰平 · 柏書房 · 2019

山下泰平による明治娯楽物語論。森鴎外『舞姫』時代の裏で大ヒットしていた弥次喜多型小説(『宇宙世界膝栗毛』『人体道中膝栗毛』など)を追い、なぜ日本で『純文学だけが正統』という偏った伝統が生まれたかを解明。

1人推薦 推薦者: 岡田 斗司夫

「明治時代の文学といえば夏目漱石や森鴎外なんですが、実際に何十倍も売れたのは『明治娯楽物語』。本書はそれを言いとしている。明治はものすごい勢いで文明開花が進んだ——欧米の文学は敷居が高くて読めない、できれば講談調で読みたい、そこに答えたのが明治娯楽物語。 大流行したフォーマットは『弥次喜多』。1802年の十返舎一九『東海道中膝栗毛』のキャラクター(やじろべえと喜多八)を使い回す、現代の異世界転生もの・ラノベと同じ感覚——とりあえず弥次喜多をどっかへ行かせて、その世界の知識(西洋文化)を取り入れる。 『宇宙世界膝栗毛』(明治17年):弥次喜多が月へ行く。ジュール・ヴェルヌの宇宙旅行原作通り——大砲の弾でしがみついて飛ぶ(無重力描写は『すぐ喉が詰まる』とテキトーすぎる)。 『人体道中膝栗毛』(明治19年):旅費がないからミクロ化して人体内を旅する——『口車』は唇でできた水車、『嘘八百里とい」

本人が10代で読んだ

コンビニ人間

村田 沙耶香 · 文藝春秋(文春文庫) · 2018

コンビニで18年間働く36歳独身女性・古倉恵子の物語。第155回芥川賞受賞。世界46カ国・地域で翻訳。

1人推薦 推薦者: 林 士平

「コンビニ人間。コンビニで働くことで自分を整えるというか自分を取り戻す。めっちゃわかるんですよね。高校生の頃、僕、初めてやったアルバイトがありがちなマクドナルドなんですけど、めっちゃ働いてたんすよ。狂ったようにずっと働いてた時期があって、なんかすげー救われてたんですよ労働に。完璧な機械になることを追い求めるマニュアルみたいなのを、いかに綺麗に達成していくかっていうゲームを僕はずっとやってて、なんか不思議な快楽を感じてたんですよね。それをめっちゃ思い出させてくれたんで、わかるってすごい共感した記憶があります。」

本人が10代で読んだ
1人推薦 推薦者: レイ・ダリオ

「大学や高校の卒業生全員に与える本としては、私なら『Lessons From History』だ。デュラント夫妻はおそらく史上最高の歴史家だろう。5,000年の歴史を5,000ページにまとめた後、彼らはそのテーマを取り出して、104ページにまとめた。宗教、自然資源、その他何でも、各テーマごとに本質をまとめている。」

本人が10代で読んだ

宇宙の戦士

ロバート・A・ハインライン(矢野徹 訳) · 早川書房(ハヤカワ文庫SF) · 2015

ハインラインの軍事SF(1959年原著)。機動戦士ガンダム『パワードスーツ』の元ネタ。道徳哲学の授業を通じて『暴力と決着』を問う問題作。

1人推薦 推薦者: 岡田 斗司夫

「ハインライン作の軍事SF。物語の最初の部分に主人公がもうすぐ高校卒業する、その中で『道徳哲学』の時間というのがある——これは『宇宙の戦士』以来の造語。最後の授業で学生たちが自由に質問する中、ある女性徒から『暴力は何も解決しないと母から言われましたって』と言われる。これに対して道徳哲学のデュボワ先生(元軍人)は『暴力は歴史上最も多くのことに決着をつけてきた』と語る。解決するとは言ってない、決着というのが暴力によって歴史上最も多くのことを決着つけてきた。これに反対するのは最悪の希望的観測に過ぎない、この事実から目を背けようとする民族種族はその命と自由という高い代償を支払わされる。 僕がこの小説を初めて読んだのが高校生ぐらいで、ちょうどその主人公と同じくらいの年齢だったんですけれどもすごいショックだった。暴力でしか解決しないとは言ってない、暴力によって歴史上だいたいのことは決着がついてきた、こ」

本人が10代で読んだ

千の顔をもつ英雄〔新訳版〕上

ジョーゼフ・キャンベル · ハヤカワ・ノンフィクション文庫 · 2015
1人推薦 推薦者: レイ・ダリオ

「私が大学や高校の卒業生全員に与えたい本の1つは、ジョーゼフ・キャンベルの『Hero with a Thousand Faces』(千の顔をもつ英雄)だ。少し難しいが、内容が非常に豊かで、本当に良い本だ。」

本人が10代で読んだ

セーラー服と機関銃

赤川 次郎 · 角川書店 · 2014

赤川次郎の代表作。映画化もされた人気青春ミステリー。

1人推薦 推薦者: 湊 かなえ

「中学生になった頃にやっとちゃんとした書店ができたんです。そこで『セーラー服と機関銃』をまず買って、そこからは本のあらすじの部分を読んで、10代の子が主人公のものを買って読むようになりました。」

本人が10代で読んだ

巴里の空の下オムレツのにおいは流れる

石井 好子 · 河出書房新社 · 2013

シャンソン歌手・石井好子による1963年発表のエッセイ。第1回エッセイスト・クラブ賞受賞作。

1人推薦 推薦者: 恩田 陸

「エッセイ本。中学生の頃読んだ、石井好子さんというシャンソン歌手の方の『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』は、オニオングラタンスープの作り方がすごくおいしそうで、肌寒い季節になると読みたくなる。」

本人が10代で読んだ

戻り川心中

連城 三紀彦 · 光文社 · 2006

連城三紀彦による1980年刊行の連作短編集。表題作で1981年第34回日本推理作家協会賞短編部門受賞。耽美と謎が織り重なる和の名作。

1人推薦 推薦者: 池井戸 潤

「耽美的なものというと連城三紀彦さんが直木賞を受賞した『恋文』や『戻り川心中』なども読みました。」

本人が10代で読んだ

ブラッカムの爆撃機

ロバート・ウェストール(金原瑞人 訳・宮崎駿 カラー漫画) · 岩波書店(岩波少年文庫) · 2006

イギリスの児童文学者ロバート・ウェストールの戦争児童書。第二次大戦中の英国空軍爆撃機を舞台にしたホラー小説。宮崎駿が24ページのフルカラー漫画『航空ファンタジー博物館』を寄稿した稀有な一冊。

1人推薦 推薦者: 岡田 斗司夫

「宮崎駿が中に24ページもフルカラーの漫画を描いてるんですね。これだけでもお買い得なんですけど、この小説自体がめちゃくちゃカッコイイ。主人公は高校卒業したばかりのゲイリーという男の子で、英国空軍に入って5人組のチームでウェリントン爆撃機に乗せられる。 第二次大戦中のイギリスは『飽和爆撃』という方法をとっていた——1回の爆撃に100機・500機・最終的には1000機の編隊でドイツを爆撃。20回出撃で1セット組んで、なかなかその1セット終わらない、生き残る確率が44%、数セットいくと20%まで下がる暗い損耗率の高い時代。イギリスは10万人の若者を死なせて、ドイツに与えた損害は民間人含めて1万人いかなかった——本当に無駄な世界だった。 ブラッカム機長というアイルランド人のアル中で乱暴な機長が出てくるんだけど、その彼らがドイツのユンカース夜間戦闘機を撃墜するシーン——インターコムでドイツ人パイロ」

本人が10代で読んだ

絵とは何か

坂崎 乙郎 · 河出書房新社 · 2005

坂崎乙郎による美術評論の名著。

1人推薦 推薦者: 伊坂 幸太郎

「島田さんにハマっていた高校生の頃、うちの親から『絵とは何か』という美術評論の本をもらったんです。その帯に、「人生とは一回限りである。しかも短い。その短い人生を想像力にぶちこめたらそんな幸せなことはないと思う」

本人が10代で読んだ

新装版 夏草の賦 上

司馬 遼太郎 · 文藝春秋 · 2004

司馬遼太郎による1968年発表の歴史長編。土佐の戦国大名・長宗我部元親の生涯。

1人推薦 推薦者: 今村 翔吾

「図鑑的なものを読んでいたら詳しくなって予備知識ができました。たとえば司馬先生の『夏草の賦』を読んで「長曾我部元親書いてんねや」

本人が10代で読んだ

ノルウェイの森 上

村上 春樹 · 講談社 · 2004

村上春樹による1987年発表の超ベストセラー長編小説。

1人推薦 推薦者: 湊 かなえ

「村上春樹さんの『ノルウェイの森』や、吉本ばななさんの『TUGUMI』や『キッチン』は、テレビなどでも大ベストセラーと言われていて、そうすると田舎の子供の感覚では、日本中の人が読んでいるような気がして、これは読まなきゃ、となりまして。『ノルウェイの森』の「ジャングルの虎がみんな溶けてバターになるくらい君が好きだ」

本人が10代で読んだ

ウッドストック行最終バス

コリン・デクスター · 早川書房 · 2003

コリン・デクスターによる1975年発表のモース警部シリーズ第1作。

1人推薦 推薦者: 伊坂 幸太郎

「あと外国作品はあまり読まなかったんですが、『ウッドストック行最終バス』のコリン・デクスターや『偽のデュー警部』のピーター・ラヴゼイは好きで、過去の作品も遡って読んでいました。」

本人が10代で読んだ

水の家族

丸山 健二 · 求龍堂 · 2003

丸山健二による1996年発表の長編小説。

1人推薦 推薦者: 三浦 しをん

「中学生の頃に読んだ『水の家族』という作品ですね。その頃って思春期特有の、どうでもいいことでモヤモヤ悩んだりすることがありますよね。坂口安吾や泉鏡花も面白かったけれど、そのモヤモヤに答えてくれるものじゃなかったんです。でも、この『水の家族』は答えてくれた。そうか小説ってこういうものなんだ、と感じましたね。私は何度読んでも心を揺さぶられます。狭い世界を描いているようで、ちっとも狭くない。平凡に見えた人たちもちっとも平凡じゃなかったってことが分かる。ダイナミズムがあるんです。それから、ずっと、丸山さんの作品は読んでいますね。」

本人が10代で読んだ

さよなら快傑黒頭巾

庄司 薫 · 中央公論新社 · 2002

庄司薫「薫くんシリーズ」赤黒白青4部作の第2作。1969年発表。

1人推薦 推薦者: 池井戸 潤

「『さよなら怪傑黒頭巾』『白鳥の歌なんか聞えない』『ぼくの大好きな青髭』という赤黒白青の四部作も読んだし、本名の福田章二の名で中央公論新人賞を受賞したデビュー作の『喪失』も読みました。同時に星新一、筒井康隆も読み漁りました。」

本人が10代で読んだ

白鳥の歌なんか聞こえない

庄司 薫 · 中央公論新社 · 2002

庄司薫「薫くんシリーズ」赤黒白青4部作の第3作。1971年発表。

1人推薦 推薦者: 池井戸 潤

「『さよなら怪傑黒頭巾』『白鳥の歌なんか聞えない』『ぼくの大好きな青髭』という赤黒白青の四部作も読んだし、本名の福田章二の名で中央公論新人賞を受賞したデビュー作の『喪失』も読みました。」

本人が10代で読んだ

ぼくの大好きな青髭

庄司 薫 · 中央公論新社 · 2002

庄司薫「薫くんシリーズ」赤黒白青4部作の完結編。1977年発表。

1人推薦 推薦者: 池井戸 潤

「『さよなら怪傑黒頭巾』『白鳥の歌なんか聞えない』『ぼくの大好きな青髭』という赤黒白青の四部作も読んだし、本名の福田章二の名で中央公論新人賞を受賞したデビュー作の『喪失』も読みました。」

本人が10代で読んだ

青い眼がほしい

トニ・モリスン · 早川書房 · 2001

トニ・モリスンによる1970年デビュー作。1993年ノーベル文学賞受賞作家による黒人少女の物語。

1人推薦 推薦者: 西 加奈子

「高校2年生の時だったと思うんですけど、装丁に惹かれて『青い眼がほしい』を買ったんです。文学少女やないし、まったく知らなかったんですけど、たまたま本屋に『ムー』でも買いに行って、目にとまって手に取ったんでしょうね。でも読んでみたらすっごい衝撃でした。冒頭が「秘密にしていたことだけれど」

本人が10代で読んだ

ライン

村上 龍 · 集英社 · 2000

村上龍の連作短編集。13篇の登場人物が次の話の主人公として繋がっていく。

1人推薦 推薦者: 尾崎 世界観

「短編小説連作、一つの話で出てきた登場人物2人のうち後半の一人が次の話では主人公になるので、次の話ではその後半出てきたもう一人が主人公になってって、どんどんつながっていく。いろんな登場人物がいるけどみんな変な人ですね、本当に変態しか出てこない、変人のアウトレイジみたいな感じ、びっくりするぐらい変な人が出てくるのでめちゃくちゃ安心しますね。自分はおかしい人間でずっと10代の頃とかも「やばいやつだ」

本人が10代で読んだ

イラハイ

佐藤 哲也 · 新潮社 · 1996

佐藤哲也による1995年発表のファンタジー小説。第7回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

1人推薦 推薦者: 伊坂 幸太郎

「佐藤哲也さんの『イラハイ』。これはうちの奥さんもお気に入りですが、最高です。高校の教科書に載せればいいのに、と思うくらい(笑)。ファンタジーというと、僕は魔法や剣が出てくる話は得意ではないのですが、これは全然違う。応募した後のデビュー直前に読んだのですが、これを読んでたら"すでにこんなに面白い人がいるのに"って、怖くて書けなくなっていたかも。たとえば、「冒険が始まったので、ウーサンは走った」

本人が10代で読んだ

深い河 ディープ・リバー

遠藤 周作 · 講談社 · 1996

遠藤周作による1993年発表の長編小説。第35回毎日芸術賞受賞作。インドのガンジス河を舞台にした宗教と人間の物語。

1人推薦 推薦者: 西 加奈子

「中学生になってから、遠藤周作を全部集めました。『深い河(ディープ・リバー)』が出た時かな。お父さんが貸してくれたんですよ。それ読んで、めっちゃ感動して、遠藤さん大好きになって。わたし、著名な方に初めてファンレター書いたのって遠藤さんなんですよ。エッセイも読んで、原宿の南国酒家によく行くって書いてあったから、いつか行きたいなと思っていて、高校の時に東京に遊びに来た際に見に行ったり。」

本人が10代で読んだ

上弦の月を喰べる獅子

夢枕 獏 · 早川書房 · 1995

夢枕獏による1989年発表の幻想小説。第10回日本SF大賞受賞作。

1人推薦 推薦者: 伊坂 幸太郎

「高校生の頃で記憶に残っているのは夢枕獏さんの『上弦の月を喰べる獅子』。受験の時に買って、勉強しなくちゃ、と思いながらも夢中になって読みました。あれは今でも本当にすごいと思う。神を扱ったテーマのものって最終的に結論を出さずに曖昧にする手法が多くて、これもそうかなと思っていたら、ちゃんと結論が出ていたんです。僕としてはすごくカタルシスがありましたね。」

本人が10代で読んだ

外科室・海城発電 他五篇

泉 鏡花 · 岩波書店 · 1991

泉鏡花の短編「外科室」「海城発電」を含む岩波文庫。1895年発表の名作短編。

1人推薦 推薦者: 三浦 しをん

「ちょっと暗めのエッチなのが好きだったんですよ(笑)。『外科室』なんてもう、ウットリだわって思っていました。中学生が好きそうなシチュエーションなんです、手術をすることになって、執刀医は昔の恋人で、麻酔をかけられるのが嫌だと言って…。今考えると、フン、馬鹿なこと言ってんじゃねーよ、って思いそうなんだけれど、そう思わせない麗しい文章で。美男美女しか出てこないし。」

本人が10代で読んだ

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

村上 春樹 · 新潮社 · 1988

村上春樹による1985年発表の長編小説。第21回谷崎潤一郎賞受賞作。

1人推薦 推薦者: 三浦 しをん

「中学生くらいの時は一時期そういうこともしました。村上春樹さんの『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』を読んで、こりゃすげえ!と思って、何を間違えたのかハードボイルド調のものを書き始めたんです、授業中とかに。でも当然上手に書けなくて、ハア~がっかり、と、やめちゃいましたけど。」

本人が10代で読んだ

スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋冬編

スティーヴン・キング(山田順子 訳) · 新潮社(新潮文庫) · 1987

原題『The Body』、1982年原著。キング『恐怖の四季』所収の中編。ロブ・ライナー監督で1986年に映画化された名作青春映画の原作。少年時代の友情と『大人になること』の喪失を描く。

1人推薦 推薦者: 岡田 斗司夫

「ロブ・ライナー監督の青春映画の傑作。1959年(ロブ・ライナーが12歳だった年)、少年4人が見知らぬ少年の死体を探しに冒険する話。冒頭で監督ロブ・ライナーは原作者キングに『主人公ゴーディはどれだけ本当の話をしてるんですか?』と質問、キングは『俺自身も自分の経験と人に話す時に面白く盛っちゃうことの境がわからなくなる、作家っていうのは生まれつきの嘘つきで自分の言った嘘を信じ込むし、嘘の中に本当を混ぜるから余計わかんなくなる』と答えた。 映画では『叙述トリック』が使われる——途中から美化された嘘が混ざる。ヒントは(1) ラストで友達クリスが消えていくシーンで、不思議に半透明になって完全に消えてしまう、(2) ボブ・コミアという作中の人気者の名前が、映画冒頭の解像シーンの自動車のラジオから聞こえる、これをゴーディが咄嗟に話に取り込んでリアリティを上げる、つまり彼は『嘘の話の中に本当のことを混ぜる」

本人が10代で読んだ

宇宙からの帰還

立花 隆 · 中央公論新社 · 1985

立花隆による1983年発表のノンフィクション。宇宙体験が宇宙飛行士の精神に与える影響を考察。

1人推薦 推薦者: 恩田 陸

「高校生になってからは…さらに乱読。これまでのジャンルに加えて、ノンフィクションが入ってくるんです。立花隆さんの『宇宙からの帰還』を読んでものすごくショックを受けました。宇宙飛行士って、宇宙に行ったあと宗教家になる人が多いそうですが、宇宙体験で神の存在を感じるみたいなんですね。その心理的変化を書いたノンフィクションですが、それがすごく印象に残っている。外側から人類や地球を見る体験に衝撃を受けました。」

本人が10代で読んだ

銀河帝国の興亡 1 ファウンデーション

アイザック・アシモフ(鍛治靖子 訳) · 早川書房(ハヤカワ文庫SF) · 1984

アシモフの代表作『ファウンデーション』シリーズ第1巻(1951年原著)。銀河帝国1万2000年の歴史と『心理歴史学』を扱う未来史の金字塔。Apple TV+でドラマ化。ノーベル経済学賞ポール・クルーグマンの愛読書。

1人推薦 推薦者: 岡田 斗司夫

「中学生ぐらいの時に読んだ。はるか未来、人類は銀河系を1つの帝国にまとめあげた。銀河系には人類以外に知的生命体がいなかった。人類は2500万個以上の惑星に植民し、総人口は100京(10の18乗)を超えた。 首都惑星トランターは惑星1つが丸々官僚機構——惑星1つが丸々事務作業ビル、その中に官僚400億人が住んでいる。皇居は1000km×1000kmのちっぽけなもの。トランターは食料も何もかも他の惑星から輸入しなければ活動できない。 この銀河帝国1万2000年の絶頂期に、ハリ・セルダンという学者が『銀河帝国は500年以内に滅ぶ』と数学的に証明した——『心理歴史学』という新しい学問を作って。一旦帝国が滅ぶと、原子力文明→石油文明→石炭文明と無限に交代して、次の文明が起こるまで3万年かかる。この3万年の空白を1000年に縮めるためにセルダンは『百科事典財団(ファウンデーション)』を作る。 ノー」

本人が10代で読んだ

聖少女

倉橋 由美子 · 新潮社 · 1981

倉橋由美子による1965年発表の長編小説。

1人推薦 推薦者: 林 真理子

「倉橋由美子さんの『聖少女』とかも好きでしたね。高橋たか子さんも。ああ、女流とは別ですが庄司薫さんも。高校生が普通に本を読んで、純文学系がベストセラーになる、いい時代でした。」

本人が10代で読んだ

天国にいちばん近い島

森村 桂 · 角川書店 · 1972

森村桂による1966年発表の紀行小説。ニューカレドニアへの旅を描いた永遠のベストセラー。

1人推薦 推薦者: 湊 かなえ

「森村桂さんの『天国にいちばん近い島』もすごく好きで。日本人の女の子が一般的には海外旅行が難しかった時代に、とある船の船長に手紙を書いてニューカレドニアにつれていってもらうという話を読んで、こんなことができるんだって思ったんです。中学生の時の自分にとって人生を変えた二冊が、『葡萄が目にしみる』と『天国にいちばん近い島』ですね。」

本人が10代で読んだ

金色夜叉

尾崎 紅葉 · 新潮社 · 1969

尾崎紅葉による1897〜1902年連載の長編小説。明治文学の代表作。

1人推薦 推薦者: 又吉 直樹

「国語便覧を読んでいくと、そこに載ってる面白い顔したおじさんたちの話がだいたい好きなんやなと分かったんです。そんぐらいから、芥川龍之介、太宰治、夏目漱石とかを読んでいくようになりました。坪内逍遥の『小説神髄』はちょっと違うかなと思い、その次の尾崎紅葉の『金色夜叉』あたりから読みましたね。」

本人が10代で読んだ

人間失格

太宰 治 · 1967

又吉が「100回以上読み返した」と公言する太宰治の代表作。10代以降の人生に大きく影響した一冊。

1人推薦 推薦者: 又吉 直樹

「中学生のころ友達に薦められて読んだ。主人公の幼少期が自分とすごく重なって、人に話せないという感覚が全部書かれていた。」

本人が10代で読んだ

テス 上

トマス・ハーディ · 岩波書店 · 1960

トマス・ハーディによる1891年発表の長編小説。

1人推薦 推薦者: 林 真理子

「中学生でトマス・ハーディの『テス』なんかも読みましたが、何が起こったかわからなくて。昔の本だからぼやかして書いている部分も多いんです。もっと大人になってから、ああそういうことか、と理解しました。」

本人が10代で読んだ
1人推薦 推薦者: 成毛 眞

「これほど丁寧で網羅的に放射線を説明している本をほかに知らない。この本を書棚に入れておけば、なにか事が起こったときにいつでも引き出して正確な知識を得ることができるだろう。健康診断でCT検査やPET検査を受けるときにも参考になる。しかも、科学に興味のある小中学生なら、最後まで読み終えることができるほどのわかり易さだ。 著者はつくば市にある高エネルギー加速器研究機構の准教授。長い金髪で知られるニュートリノ研究者だ。これまでにも『すごい実験』や『すごい宇宙論講義』などの一般向けベストセラーを書いている。 本書は現在も公開されている同名の無料サイトを一冊の本にしたものだ。本文の内容に差異はない。しかもスマホ用に最適化しているため、書籍よりも無料サイトのほうが読みやすい人もいるだろう。」

本人が10代で読んだ

宇宙の覇者 ベゾスvsマスク

クリスチャン・ダベンポート 翻訳:黒輪 篤嗣 · 新潮社

成毛 眞が HONZ で執筆した書評対象書。

1人推薦 推薦者: 成毛 眞

「アマゾン創業者のジェフ・ベゾスと電気自動車製造会社テスラ創業者のイーロン・マスク。太陽が昇るどこかの惑星(または衛星)を背景に2人が対峙している表紙は鮮烈だ。どちらかがほかの星に降り立つ日も近いことを暗示しているようだ。 それぞれの個人資産は十数兆円と2兆数千億円。政府機関を凌駕する力をもつといわれる55歳と47歳。二人は人類にとってどんな存在になるのだろう。そして人類はどこへ連れて行かれるのだろう。 ジェフ・ベゾスはアメリカ生まれ。SFファンだった少年は、最優秀の成績で高校を卒業し、名門プリンストン大学で物理学を学ぶようになる。コンピュータ科学と電気工学の学位を取得して金融界に飛び込んだ。 いっぽうのイーロン・マスクは南アフリカ生まれ。」